こんにちは
元警察官のケイです
今回は、真夏の夜に廃墟の家に行った時、中に誰もいるはずのない家の中から視線を感じた現場です。
交番勤務をしていた真夏の深夜
夜なのに蒸し暑くて、交番のエアコンをガンガン効かせてデスクワークしてた時
110番指令
「警察官派遣要望。人が住んでいないはずの古い家の窓に人影のようなものが見えた。場所は・・・・」
うわ、うちの交番の管内だ。
隣には50代半ばの上司。交通警察での経歴が長い人
「うちの管内ですね。行きますか」
「しょうがねぇ、行くか」
この時点では、「どうせ見間違いだろ」くらいにしか思っていませんでした。
こういう通報はけっこう多い。
そしてその99%は見間違いや勘違い。
現場に向かう途中署から無線
「署からも刑事課の当直員も向かいます。協力して対応願います」
こんな事案で現場に向かうなんて、今日は刑事課員ヒマなんだな。
いつもは必要な時でも来ないくせに
そんなことを思ってるうちに現場に到着した
うわ、これ今にも倒壊しそうだな。
と思うほど、ボロボロの平屋。
写真はイメージです。
実際はもっと小さくてボロボロ。
築30年以上は経っているでしょう。
この先も人が住むこともない。取り壊しを待つだけの空き家でした。
一応家の外周を確認する。
すべての雨戸は閉まっているため、中の様子は見えない。
もちろん灯りも一切ない。
その中で、小さな小窓があった
雨戸はないが、カーテンで中の様子は見えない。
これで人影何て見えるわけがない。そもそも人がいるわけがない
もしいたとしてもこの暑さだ。電気もエアコンも無い家で、全ての雨戸を閉め切っていたら死ぬだろ
「どうします?異常なしで無線して離れますか?それとも刑事課員待ちます?迷惑な通報者ですよね」
と上司に言った時だった
小窓のカーテンが僅かに動いた気がした
思わず首をほとんど動かさずに、目線だけを動かして小窓の方を見た
そうしたら、カーテンと窓枠の隙間から人間の目のようなものが見えた。
えっっ?
サッッ!
間違いなく動いた!
目が隠れた!
誰かいる!
もしくは人生で初めての霊体験?!!
いやそんなもの絶対いない
一気に緊張が走る。
警棒を腰から外して手で持つ。
上司に耳打ちする
「本当か?これは帰るわけにはいかなくなったぞ。刑事課員を待とう」
数分後、のらりくらりと刑事課車両が到着。
「あーどうもお疲れっす。外は暑いっすね。署の中エアコン使えないから車の方が涼しいんですよ」。
忙しい時の刑事課員とは大違い。
しかし私たちから状況を聞くと一変。
「間違いないのか?よく見たのか?」
いや、だからよく見えるわけないでしょ。
人の話聞いてた?
たまたま視界に入った一瞬だから。
「とりあえず確認しよう。逃げ出しそうな全部の窓も見ておくように」
正直私ちょっとビビってました。
あのカーテンの隙間から見えた目が不気味だった
逆にこれで家の中に誰もいない方が・・・怖すぎ。
でもこれどうするんだろう
すべてのドアと窓は鍵が掛かってるから、中には入れない
外から呼びかけて出てこなかったら、いつまで待つんだ?
そう思ってたら、刑事課員たちが始めやがった
玄関ドアを
ドンドンドン!!!!!!!
「おい!出てこいよ!!いるのわかってんだぞ」
「出てこないならぶち破るぞ!」
そんな怖がらせたら逆に出ずらくなるって思わないのかこいつら
もう少しソフトに言ったほうが絶対出て・・・
ガチャ
玄関ドアが開いて、男が出てきた
出てきちゃったよ
さすが刑事課員、やるじゃん
怯えた表情の汚らしい男が汗だくで出てきた
「す、すみません」
何かというと
ホームレスでたまたま空き家を見つけて住みついてたとのこと。
私たちも家の中に入って中を確認した
家の中はとても人が住むようなところではなかった。
ものすごい蒸し暑さ、
蚊や害虫がブンブン飛んでいる。
こんなところで眠るなんてとてもできない。
照明は電池式の豆電球ひとつだけ。そこには蚊や害虫がブンブン。
よくこんなところに住んでいたなと思った。
本が好きな人だったようで、ホームレスになってたくさんの本を保管する場所に困っていた。
そこで見つけたのがこの空き家だった。
確かに中には本がたくさんありました。
一応署には連れてったけど、ホームレスだし、空き家の持ち主から被害届取れないし、何よりあんなところで過ごしてたことに同情して、厳重注意と2度とうちの署の管内には入ってこないことを約束して放った。
今にも破れそうな紙袋の中に、ものすごい量の本を入れて、それを重そうに抱えてどこかに消えていった。
あの小窓の隙間から見えた目、真夏の夜にさらに気持ち悪くなった事案でした。
窓やドアの隙間を見たらぜひよく見てみて下さい
隙間から目が見えるかも
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