母親の涙だろうがビンタだろうが、更生しない人間は更生しない。

警察官の仕事内容

前回は、

犯罪を犯して検挙された少年少女。親を呼んだら「この親じゃ犯罪者になるわけだ」

犯罪を犯したこどもを引き取りに来て、こども以上に悪質な親たちについて書きました

自分の子どもが犯罪を犯して警察に迎えた来た親の反応は、他にもいろいろあります

今回は、涙を流して泣いてしまう母親、こどもにビンタを喰らわせた母親です。

1 泣き崩れてしまった母親

事件は、男子高校生3人による集団万引き。

被害金額は数万円に上るかなり高額な万引きです

交番に連れてきて身辺を洗い出すと、主犯格は高校生にしてすでに数件の犯罪歴がある素行不良者。

将来の常習犯罪確定者だ。

数回目の犯罪ということで逮捕も検討されたが、任意在宅で捜査することになり、一通りの調べが終わって交番に母親を呼んだ。

やって来た母親は、小柄で背中が丸まっていて実際よりも小さく見えた

交番に入ってくると、すぐに私たちに向かって深々と頭を下げた

「この度は本当に申し訳ありませんでした」

私たちは息子がいる部屋へと連れて行き、息子に合わせた。

私はこの両者がどんな反応をするのか少し心配だった

この息子は人間の心など持たない不良者

犯罪をしておきながら、母親にふてくされた態度でも取るんだろうと思っていた。

母親と対面するとその息子は

「母ちゃんごめん」と言った。

私は以外だった。まさか素直に謝るとは思っていなかった。

 

母親は、そう言われた瞬間静かに泣き出してしまった。

声をあげるわけではなく、メソメソ、シクシクといった泣き方だ

「うぅ、うっ」という嗚咽だけが聞こえる。

息子はバツがわるそうに見ているしかない。

そして「もうしないからさ」と言った。

母親は「前もそう言って今回もまたしたじゃない。この前で本当に変わってくれると思ってたのに。うぅ・・」

 

どうやら前回の犯行の時も、まったく同じ光景が行われていたようだった。

つまり、こういう人間は母親を泣かせたところで変わりはしないのだ。

 

では、逆の母親の場合はどうか。

犯罪をした息子にブチ切れてビンタを食らわした母親の場合はどうか

 

2 警察官の前で息子をぶん殴った母親

早朝4時頃にパトカーで警らしていたら、公園で少年二人が話していた。

こんな時間に公園に少年がいるのは明らかに不審。

すぐに職質に入った。

少年のうち、片方は自転車に跨ったまま話をしていた。

 

自転車は盗んできたものだった。

この少年も窃盗の犯罪歴が1件あった。

検挙して一通り調べを終えた後、朝早いということもあり、親への引き渡しは自宅に連れて行くことになった。

親には事前に電話連絡をして事情は説明してあった。

 

インターフォンを鳴らすと玄関ドアが開き、母親と思われる女性が出てきた。

髪の毛は中々ド派手な色だった。

私が「おはようございます・・」

と言おうとした瞬間だった。

私たちの目の前で、母親は少年の顔面を殴り飛ばした。

勢いで少年は私たちに寄り掛かってしまった。

さらに母親は、髪の毛をつかんで頭を振り回す

「おい!この前で反省したんじゃなかったのか?あれはウソか?」

完全に暴行罪として成立するレベルの行為を現認することになった。

 

まぁ別に止める必要もないかなとは思ったが、さっさと終わらせて帰りたかったので声を掛けた

「お母さん、息子さんの方は確かに引き渡しましたので、書類の方に署名をお願いします。息子さんへのお話は、私たちが去ってからゆっくりされて下さい」

母親「本当に申し訳ありませんでした。ついこの前も盗みやって警察にお世話になってしまい。その時はもう二度としないと言っていたのですが。」

 

手続きだけ済ませて、私たちは足早に去った。

玄関ドアが閉まった後、家の中で何が起きていたかは知らない

 

どっちなんだろうと私は思った。

・これだけ叱る母親ならこの少年はいつか変わると期待できるのか

・それとも、この母親だからこの少年はこうなってしまったのか。

 

いずれにしても、母親の涙も、母親のビンタも、こういう輩を変えるにはまったく効き目はないということがはっきりした事件だった。





 

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