何人もの自殺者を見てきた。だからこそ「自殺したい人」は必ず止めるべきとは単純には思えない

神奈川県で9人の遺体が見つかった殺人鬼の事件。

被害者のほとんどが、ツイッターに自殺したい旨の書き込みをして、そこから殺人鬼に狙われたようですね

 

この事件以降、SNSでの自殺願望の投稿についていろんな意見を見ました

その中には政府の動きまで

政府はツイッター社に対して、自殺願望のツイートは禁止させるようにとか、自殺願望のツイートは削除するようにとか、まったくとんちんかんなことを言っているとか。

そんなことをしてもまったく根本的な解決にはならないと誰もがわかると思うのですが

まぁ、お役所体質の「何もしなかったと言われないように」の典型ですね

実際の効果があるかどうかよりも、何か対策をやった、という事実を作ればいい。警察もそうだったなぁ。

時間と労力の無駄な、形ばっかりの取り組み。

 

で、政府のことはどうもでいいのですが、こういう自殺関連の事件があると必ず結果論で言う連中の決まり文句が「なぜ周りが助けられなかったのか」「悩みを聞いてあげられる存在がいなかったのか」

みたいなこと。

こういうこと言う人って、自殺者がどれくらい苦しんでいるか想像できないのでしょうか

 

そもそも前提がおかしい

①周りに悩みを聞いてあげる人がいれば自殺者の苦痛を緩和できると思っている

②自殺者が自殺しない方が絶対に幸せであると決めつけている

 

私は、自殺願望のある人の自殺を止めることが、その人にとって絶対にいいことであるとは単純には思えません

「単純には」です。

基本的には、自殺を止めさせることができる方がいいとは思っています

 

私が見てきた自殺者の中には、これは確かに生きている方がつらいだろうなと思った人たちがいました

 

例えば、50代の女性が墓場で自殺していたケース

彼女が自殺していた場所は、彼女の娘の墓の前でした

大切な娘は母親より先に病気で亡くなってしまい、そのつらさに耐えられずに、娘の後を追っての自殺でした

遺書には「娘が死んでからの1か月は地獄の苦しみでした。もう限界です。娘に会いに行かせて下さい」とありました

親になって経験がある人なら、こどもに先に死なれたら耐えられないであろうことは想像できます。

これだけの悲しみや苦痛を、誰かが相談して聞いてあげたくらいで緩和できるでしょうか。

「娘はあなたが死ぬことを望んでいない」なんて言葉が届くでしょうか。

彼女の苦しみを和らげてあげることができないなら、「自殺なんてすべきじゃない」なんて言うのは逆に無責任だと思います

私は助けてはあげられないけど、正義論を振りかざしたいから、あなたはそのまま苦しめ、って言ってるのと同じでしょう。

自殺した女性にとっては、今日一日生きていることが悲しくて苦しくて仕方ない

そんな人に対して、それでも自殺してはいけないと言える理由はあるでしょうか

これが②に対する疑問です。

 

私ももちろん自殺する人がいなくなった方がいいとは思います

自殺を思いとどまらせて、その後少しでも幸せになれれば一番いいとは思います。

でもその前に、そもそも自殺はなぜいけないのか。

これって明確な答えは難しいと思う

・親から授かった命だから? ・周りの人が悲しむから?

 

そもそも、自分の命をどうするかを自分で決めてはいけないのか?

もしそうだとすれば、自分のことを自分自身で100%所有していないことになります

自己決定ができない部分の数%は誰が所有していることになるのでしょうか

神とかそういう宗教的なものを持ち出されても当然説得力はない

 

私には難しいです

生きていればいいことあるから?

 

自殺する人は今日、今の瞬間がものすごく耐えられないほど苦しい。

そんないつかもわからない先のことを持ち出しても生きようとは思わないでしょう

 

自殺はなぜいけないのか、

これがわからないと、自殺しようとまで苦しんでいる人を助ける方法はわからないと思います

 

死なせてあげた方がいいケースもあるとまでは思いません

ただ、自殺はなぜいけないのか

に対する明確な答えもなく、なんとなく正論を振りかざしたいだけで「自殺はダメ」とか言うのは逆に無責任だと思うんです

「周りに助けてあげられる人はいなかったのか」、に対しても、それがどれだけ難しいケースがあるかを知ってから言うべき。

 

何人もの自殺者を見てきたからこそ、自殺をなくすにはどうしたらいいのかが逆にわからなくなりました




 

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