警察学校の実務研修で警部補から言われた衝撃の一言。たかが階級にそんな価値はない

警察学校の時に実務研修というのがあります

10日間くらい、実際に警察署の交番勤務に入って、実戦現場を経験するのです

その実務研修に行った時、交番の警部補から言われた一言が衝撃的で唖然としたことがありました

警察官人生の中でも上位に入る言葉で、悪い意味でトップ5にはランキングしてくるほどの言葉でした

私が研修で行った交番は、警部補一人に巡査部長一人、巡査が一人の3人勤務。

巡査の人は若くて、私の面倒を担当してくれた。

 

とにかく私たち実習生は邪魔な存在でしかない

例えば、まず交番のバイクに乗れない。免許は持っているけれども事故が起きると面倒だからという理由で乗らせてはもらえない。

では、署から数キロ離れた交番までどうやって行くのか

自転車だ。上の写真にも写っていますね。

しかし、自転車で交番に行くのは私だけだ。

本物の勤務員たちは交番のバイクで行く

私は交番までの道は知らない

だから一人では行けない。

どうするのか。

若手の巡査の人が、バイクで小刻みに止まりながら私を連れて行ってくれるのだ。

その人は数百メートル走行すると、路肩に寄せて止まり私が追い付いてくるのを待つ。

私が追い付くとまた数百メートル走り・・・

何をするにもこんな感じだ

だから、実習生ははっきり言って邪魔で足手まといな存在なのだ

こちらとしてもそれはわかっている。

だから自分がそこに存在しているだけでも申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

「ここに居てしまってすみません」

ずっとそんな気持ちでいる。

 

しかし、ほとんどの人が温かく扱ってくれる

なぜなら誰もが通ってきた道だからだ

私も署で交番勤務をしていた時たくさんの実習生が来た。

大型の駅前交番で事件事故の多い交番だったため、実習生がかなりたくさん来た。

自分が実際の勤務員の側になると、実習生の面倒を見るのは負担でしかない

でも、自分も実習生の時はどれだけ不安で心細かったかを知っているから、できる限りの範囲で温かく扱ったつもりだ。

中には緊張のせいか、座っているだけで汗が噴き出してきて制服の色がすっかり変わってしまう者もいる。

交番の中でもパトカーの中でも、とにかくコチコチに緊張している。

でも、それは私も同じだった。

 

というように実習生は足手まといではあるが、ほとんどの人がそれほど邪険には扱わないのである

中には、出前を取る際にごちそうしてあげるほどかわいがる人もいる。

そんな中、私が実習で行った交番の警部補はちがった。

交番の中にいても、私の存在を完全に無視している

もちろん話しかけてくるなんてことはしない。

交番の責任者であるため、実習生の扱いの責任者でもある

しかし、完全無視。

そして、私に言わなければいけないことも私には直接言ってこない。

彼の部下である若手巡査を通す

例えば、若手巡査に対して「そいつはあっちの奥に座らせておけ」「メシ注文するけどどうするか聞いておけ」

こういう会話を私の目の前でする

まぁね、私が来てもこの交番には確かにメリットは何一つないですよ

交番の警部補なんて、警察学校生からみたら、公道でスポーツカー乗って運転うまい気になってる素人とF1ドライバーくらいの差があります

私はひしひしと感じました

この人は私が邪魔なんだろうな

 

まぁしかしだからといって私から何か言えるわけでもなく言いたいわけでもない

私にできることは、少しでも邪魔にならないよう存在するだけ。

こっちとしてもこの警部補とは最後まで一言も話さずに実習を終えたい

 

しかし、どうしても話しかけなければいけない状況が来てしまったのです

交番に来訪者が続いて、巡査部長と巡査はそれぞれ応対していた。

私は交番の入り口に立って立番をしていた。

そうしたら、また来訪者が来て道を尋ねて来た。

当然私はそのへんの道などわからない

そこで慌てて交番の中に入って聞こうと思った。

しかし、巡査と巡査部長はすでに別の来訪者の応対中だ

残っているのはあの警部補だけ。

彼だけは手が空いている。

どうしようかな、、と思った

彼に聞くくらいなら、別件応対中の巡査に一瞬だけ中断してもらって聞こうかな。

でも、盗難の被害届らしいことをやっていてけっこう大変そうだ

もしかしたら警部補に聞いたら、親切に教えてくれるかもしれない

というか、そもそもこの仕事は本来ならこの警部補が応対するべきものなのだ。

だったら私が聞いても何も申し訳ないことはない

意を決して、その警部補に話しかけた

「あの、すみません、道を尋ねに来ているのですが、私はわからないので教えていただけますか」

精いっぱい丁寧な言葉を使って聞いた。

するとその警部補は・・・

????

この人耳が聞こえないのか???

と思うくらい反応がまったくない。

視線すら私の方に向けない

???

私の声はそんなに小さかっただろうか

もしかして警察学校でやっているような非常識なくらい異常な大声でやるべきなんだろうか

そんなことも考えてもう一度、次は大きめの声で聞いてみることにした

しかし、最初の一言「あの、すみません」の「あの、すみ・・」くらいまで言ったところで、急に顔を私の方に向けて一言放った

「お前警察学校の巡査だろ。警部補のおれに直接話しかけるな。巡査かせめて巡査部長を通して言え」

そう言うと、私の後ろに来訪者がいるにもかかわらず、また顔を机上にもどしてしまった

 

唖然?なんていう言葉が適切なんでしょう。

とりあえず私がしたことは苦笑いでした。

ホントにいるんだこういう人。

こういう人もいるっていうことを教官とかからも聞いたことあったけど、マジでいたよ。

まぁまだ警察学校の巡査の私がいうのも何だけど、所詮階級ですよ。

ある一組織が作ったただのヒエラルキー。

それでよくそこまで思えるもんだ。

人と人じゃなくて、肩書での関係しか考えられないんだな

今なら絶対間違いないと言える

もしこの人に娘がいたら、絶対に嫌われている。

もし独身で婚活しているとしたら、絶対に初対面の挨拶で「おれ警部補だから」って言いそう。

 

これはある意味レアな経験ができたと思いました

こういう人って、退職して肩書がなくなったらどうするんでしょうね

何で自分の価値を感じるんだろう

退職した途端、自分のことを何もない空っぽ人間て思うんじゃないかなと、そんなことを学ばせてくれた立派な警部補でした

 

でも、こんなの本当にレアなケースです。

ほとんどの人が、哀れな実習生には温かく接してくれますよ。

私が実習で行った時も、この警部補以外はみなさんとてもよくしてくれました

 

それにしても衝撃的な一言でした

あの時、こちらを見た彼の顔は今でも・・・、とっくに忘れました

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