私が一緒に仕事をした中で、最強の女性警察官

私がまだ20代半ばの新人のころです。

その交番には女性警察官が一人いました。

年齢は私の2つ上くらいでしたから、彼女も年齢的には若いです

細身で長髪でメイクもしっかりしていてきれいな人でした。

しかし年齢的には私と同じくらいでも、警察官としての経験には大きな差がありました。

この女性警察官、本当に仕事ができる。

私のその後の仕事の仕方に大きな影響を与えた優秀な人でした





彼女は私とちがって大卒ですぐに警察官になった人でした。(私は別の仕事を数年してからの転職組)

そのため年齢は同じくらいでも、警察官としての経験は私よりも5年は長い。

私と同じ交番で勤務していた時は、すでに職場異動も経験していてふたつ目の警察署でした。

前の警察署では、刑事課員を数年やっていたということでした。

警察学校を卒業したばかりの私とは比較になりません。

この女性警察官。それはそれは仕事ができる人で、私の新人時代はこの人によってかなり鍛えられました。

今でも尊敬しています。

私と会った時にはすに彼女は壮絶なブラック勤務を経験してきています

私のいた警察署も事件事故の多さではトップ5に入る署でした。

しかし彼女が前にいた署もベスト5に入る署でした。

その署での刑事課員の大変さはものすごかったようです。

毎日変死体3体は当たり前。半年間休みゼロ。変死体手当だけで、毎月〇〇万円もらってたと言ってました。

しかも彼女はその刑事課員の時に妊娠されてたらしいのですが、やはり産前直前ギリギリまで通常勤務したそうです。

大きいお腹で夜勤等当直、1日に何体もの変死体処理をやっていたと言っていました。

その話を聞いて私が「流産しそうですね」と言ったら、「元気すぎるくらいやんちゃ坊主が生まれてきたよ」と言っていました。




こういう経験をしてきてますから、交番勤務でも仕事ができるできる。

朝交番に着くとすぐに「よし、行くよ!」と言って、街頭活動に出発します。

おじさん警察官たちのように、交番の中でのんびりなんてしません。

そして外に出ると、交通違反切符、職務質問を次から次へと行います。

見た目は細身のきれいな女性。

しかしひとたび職質すれば、鋭い質問と一切不審点を見逃さない観察力で、相手をぶった切っていきます。

彼女と街頭活動に行って、手ぶらで交番にもどってきたことはほとんどありません。

私の最初の半年の勤務ノルマのほとんどは彼女との活動で達成されていました。

取り調べも上手でした。

怒るとそれはそれは怖くて。

ある時、女子高生3人の集団万引きがあって、全員交番に連れてきました。

氏名や住所を聞きますが女子高生たちは、架空の氏名や住所を言って私たちを騙そうとしたのです。

当然すぐにバレるわけですが、この時の彼女(凄腕女性警察官)のブチ切れ方は今でも覚えています。

高校生たちがウソをついているということが判明するまでは、優しい口調で「自分のしたことわかってるの?」「高校生でも許されないよ」と諭す感じでした。

しかし私たちにウソをついていたということがわかった瞬間から一変しました。

3人の女子高生たちをものすごい剣幕で怒鳴りつけました。

あまりの迫力に私まで固まってしまい、まったく口を挟めません。

1分後には高校生たちは大泣きしながら「ごめんなさい」と言ってました。

この人は絶対怒らせてはいけないと思いました。

検挙書類を作るのも本当に早くて、彼女との仕事は毎回勉強になりました。

他の人では1時間掛かる書類も彼女は30分で完成させていました。

後処理も早く終わるので、私自身も彼女と仕事をするのが好きでした。

仕事がわからない私に嫌な顔ひとつせずに、一から教えてくれました。

警察官にはめずらしく、きっちりメイクしてくることからもわかるように女性らしも大切にしてました。

コンビニで買う昼食も、私たち男とはちがって、パスタとかサラダとかチルドコーヒーとかお好きなようでした。

旦那さんも警察官ということで、家庭やこどもはきっと大変でしょうが、今でもきっとどこかで活躍されていることでしょう。

急にふと思い出したので、記事にしてみたくなりました。

次回の記事は、今回とは正反対。「私が一緒に仕事した中で、最悪の女性警察官

」です



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