交番警察官の一日(日中の部)

交番警察官の仕事って実際どんなことをするのか

私は交番勤務を約3年間やりましたので、その経験に基づいて、架空の交番勤務を描いてみました

ただし、交番勤務は毎回必ず業務内容が変わります

なぜかというと、その日その日で飛び込んでくる110番通報の内容は違うからです

今回記事で作成したのは、私の経験上、よくあるもの、ありがちなものを選んだものです。

この記事には出てこない業務もまだまだあります。

また、交番の立地によっても業務内容はかなり異なります

駅前交番、住宅街の交番、幹線道路沿いの交番。他にもいろんな立地の交番があり、それぞれよく扱う事案は異なります。

今回の記事では、私がもっとも長く勤務した大型駅前の交番勤務で想定しました。

東京駅や京都駅、大阪駅など、かなり大型の駅前交番を想像して下さい

事案も多く、人手が必要な交番であるため、交番に配置された勤務員は4人。

交番長の警部補一人、巡査部長一人、巡査二人 という構成にします。

そのため、ストリートライブの苦情や万引きな事件などが起こりますが、これらは住宅街や幹線道路沿いの交番ではほとんどの発生しないものです。

これらを踏まえて、実際の交番の仕事、勤務とはどんなものかを感じてもらえるように記事にしてみました

まず、今回は日中の時間帯まで

夜間帯は次回の記事で作成します

朝8時 署の会議室で勤務前指示伝達

その日の交番勤務員全員が集まって、署の幹部からの伝達・指示が行われます

地域課の地域課長は必ず毎日

それに加えて、不定期で署長や他課(刑事課や交通課など)の課長などからも、今回の勤務に当たっての指示が伝達されます。

例えば、

「最近はひったくりと車上狙いが多発しているため、警戒と職務質問を励行すること」

「1勤務で必ず交通違反切符を切ること」

「雨天であるため、バイク・パトカーの運転には十分気を付けること」

など、ほぼお決まりの指示を聞いたら、各自交番に向けて出発。

これから24時間の長い勤務が始まります。

退屈な朝会ですでに眠くなってしまった頭を起こして、バイクで交番に向かいます。

9時 交番到着。まずは昨日の交番勤務員との引継ぎ

昨日はどんな事案が起きたのか

その他、今日の勤務に当たって知っておくべき情報の伝達を受けます

昨日はまたひったくりが発生したのか

場所や時間帯からすると一連の犯人だろうか

バイクや犯人の特徴は前回とは少し違うな

駐車苦情や万引きはの発生はいつもと同じくらいと

こういった情報の引継ぎを行います。

終わると、24時間勤務を終えてヘトヘトの昨日の勤務員は署に帰って行きます

 

10時 街頭活動(パトロール)に出発

交番の外に出て街頭活動開始

交通違反の取り締まりや、不審者不審車両への職質、少年補導などを行います

交番に誰もいなくならないように、警部補は一人で交番に残り、巡査部長と巡査二人で出発。

この日は3人で交通違反検問

いつもの決まった場所でシートベルトや携帯電話使用運転などを取締り

約1時間半ほどやって、昼前には交番に帰署。

 

今日は昼ご飯を昼に食べられるかな、と思っていたところ、

110番入電、交通物損事故の通報

ケガ人のいない物損事故とのことで、この事故は私一人で行けば十分

現場は交番から約10分。到着すると破損した車二台が止まっていた。

怪我がないことを確認して、物損事故として処理。

現場は交番から約10分と近場だったため、約40分で交番に戻ってこれた

さて、次の通報が入る前にとにかく昼ご飯だけは取っておきたい

 

12時半 昼食

急いで交番の近くのコンビニに行って昼ご飯を買ってきて急いで食べる

通報が入れば、ご飯は中断になることもよくある

昼ご飯が夕方になることなんてしょっちゅうだ

 

制服でコンビニに行くとどーしても人目が気になる

本当はプリンとかイチゴサンドも買いたいが、人目を気にして我慢する。

ここの唐揚げ弁当は一体何回食べただろう。

店員のお姉さんが可愛くても、表情一つ変えてはならない。

 

この日は13時までに昼食がとれた。駅前交番でこれは奇跡的。

 

14時から1時間は巡回連絡を実施予定。

巡回連絡とは、住居や店舗などを個別に訪問して、警察への要望や緊急連絡先を聞いたり、犯罪発生情報や防犯情報などを提供する。

これも交番警察官の大切な仕事の一つだ。

1時間で五件は回ろうと計画。

しかし、3件目を周ったところで、再び担当区内での110番通報

 

15時 駅前のショッピングモールで万引きの通報

駅前にある大型ショッピングモール内の雑貨店からの通報。

店舗が雇っている警備員が万引き犯を確保したらしい

署に無線を入れて、現場に向かう旨を伝える。

巡回連絡を切り上げて、直接現場に向かった

現場に行くと、犯人は学校帰りの高校生だった

犯人と証拠品の被害品とともに交番に戻り、事件処理を始める

被害届や実況見分、供述証書など、必要書類を作成するには、少なくとも2時間は掛かる

これでこの高校生は、17歳にしてすでに犯歴持ちだ

夕方6時に親が交番に来て、身柄を引き渡した

 

交番にいる間も次から次へと来訪者がやってくる

「銀行はどこですか?」

「財布を落としました」

もはや何でも屋だ。

交番にいるよりも、外に出てバイク走っている時の方が落ち着けるくらいだ

 

19時 ストリートライブへの騒音苦情

110番無線を聞いていたところ、

「〇〇駅前ロータリー広場での警察官派遣要望。」

ここまでで、交番員の誰もがわかる

「あ、この時間、またこの通報来たな。またストリートライブか」

110番通報の続きが流れる

「禁止場所でストリートライブをやっている者がいるため、警察官に止めさせてほしいとの通報」

やっぱりだ

これはこの交番勤務員なら誰でも知っている通報魔からの通報だ。

通報魔とは、毎日のように通報してくる110番の常習者だ

やることもない、金もないヒマ人が時々こういった通報魔になる

この通報魔はたちが悪く、私たち警察官が現場に行ってライブをやめさせる様子を最後まで見ている

ライブを取り巻く聴衆に混ざって、警察官がちゃんとやめさせたかどうか見ている

本当にヒマ人だ。

通報から警察官が中々やってこないと、また110番してくる

私たちにとっては、禁止場所でライブをやるミュージシャンよりも、通報魔の方がよっぽどうっとおしい。

わざと遅く行く。

奴が見ているのはわかっている

あえてすぐにはライブをやめさせない。

演奏中の曲が終わったところで、優しく注意する

「禁止場所だからさ、あと一曲で終わりね」

こちらが柔らかい態度で出れば、言われた方も素直に従いやすい

 

「おまわりさんがあと一曲だけやらせてくれるそうです。最後の曲なので聞いていって下さい」

気持ちよく歌って解散していった。

しかし、この一部始終を見ていた通報魔は納得いかなったらしい

解散後に110番通報してきた

「禁止場所でのライブなのに、やってきた警察官はすぐにやめさせなかった。おかしいのではないか」

まったくもってヒマ人だ。

これで本人は自分がいいことをしているとでも思っているんだから幸せ者だ。

 

こういったどうでもいい通報はかなり多い。

特に人が多い駅前交番は。

路上駐車の苦情で、警察官が来るまで離れたところで見ているという通報魔もいた。

世の中にはやることなく、こんな無駄ことで時間を浪費している人間が想像以上にいるのだ

警察官になって初めて知ったことだ

 

ライブの苦情を処理すると、もう20時だ。

交番長から「交番に戻ってくる時に弁当を買って来るように」頼まれていた。

弁当を買って交番に戻って、さっさと食べようと思ったところで、また110番通報。

今度は自動車を盗まれたとの通報だ

自動車盗は、窃盗事件の中でも中々大きな事案だ。

現場での処理には1時間以上は掛かるだろう。

夕飯は22時までには食べられるだろうか

そんなことを思いながら現場に向かった

 

 

日も暮れて20時も回ったので、続きは次回「夜の部」へ

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