警察官のブラック勤務にはいろいろひどいのがありますが、中でもひどいのが突然休みが潰れることです。
大切な予定が入っていた休日でも、直前にでかい事件事故が入ると強制出勤させられます。
刑事課勤務の時、この人悲惨過ぎると思ったことがありました。
子どもの小学校卒業式に行くために有給を申請していたのに、その直前にでかい事件が入ってしまった時のことです。
私はその人の例を見て、自分が親になったらこの仕事を続けていくのは無理かもしれないと思いました
こういう突然の休日強制出勤は、私にとって大きなストレスでした。
ずっと楽しみにしていた予定が、犯罪者たちのせいでいつ潰れるかわからない。
その恐怖につねに怯えているストレスは本当に苦痛でした。
そこで、私はどうしても譲れない予定の日には、確実に休めるようにするための手を打つようになりました
今回は、ブラック労働から大切な予定を守るために私がしていたことについてです
一生に一度しかない子どもの卒業式に出れなかった刑事警察官
私が刑事課員の時でした。
3月でした。
傷害致死事件が発生して、翌日に大規模な家宅捜索を行うことになった。
明日の捜索に向けて準備をしていたところ、その事件の担当になっている強行班の巡査部長(40代後半)が、険しい顔で刑事課長(警部)と話していました。
強行班についてよくわからない方はこちらの記事を→警察官の仕事(4)「刑事部・刑事課」
巡査部長「明日子どもの卒業式で休暇申請出してて。午前中だけでも休み取らせてもらうことできますか?卒業式終わったらすぐこっち来ますので」
刑事課長「お前はこの事件の担当班の一員だろ。それで午前中のガサに来ないこと考えてるのか?何かあれば子どもの卒業式だろうが、親の葬式だろうが出れない、それが刑事だろ?お前は刑事になる時そういう覚悟でなったんじゃないのか?」
私は聞いてて気分が悪くなってきました。
確かにでかい事件でやること山のようにある
でも、一日がかりの家宅捜索で、午前中に一人抜けるくらいのことは、他の人が少しずつ負担すれば何とでもなる。
なんでここで気持ちよく卒業式だけ行ってこいって言ってやれないんだ。
実は、この時の刑事課長というのは、悪い意味で有名な人でした。
仕事できない、大きな事件が入ると一人であたふたして部下を怒鳴り散らす、そのくせパワハラ野郎。なんであんなのを警部にしてしまったんだ。
最悪な評判で有名な警部でした。
最後にはこんなことを言ってました
「お前が休暇出して署長まで決裁もらってるからおれは明日必ず来いとは言えないからよ。あとは自分で決めろよ。それで捜査に支障が出てもおれの責任じゃないからな」
ホント最悪
部下の責任をかぶるのが幹部の役目だろ。
そんなんだから、異動の時の刑事課の送別会に、課長なのに一人だけ呼ばれなかったりするんだよ。
そして翌日・・
その巡査部長は・・・
朝から来てました。
もうこっちまで胸が苦しくなりました
この人は、昨日家に帰って妻や子どもに言ってきたんでしょう。
「パパは行けなくなった。ゴメン」と。
それを思うと胸が痛くなりました。
また、当時すでに結婚を予定していた私には他人ごとに思えませんでした。
私が毎年同じ時期に結婚式出席で休暇を取っていた理由
この刑事課員のようなことは警察では当たり前のようにあります。
私は絶対にイヤでした。
そこで大切な予定のために休暇を申請する時は、理由の欄に「従兄弟の結婚式出席」とするようにしてました。
私には毎年一回どうしても休みを取りたい日がありました。
それは毎年9月末~10月上旬に開催されるF1の日本グランプリでした。
世界各国を飛び回りながら開催されるF1レースですが、日本の三重県にある鈴鹿サーキットでも開催されるのです。
警察官はよほど理由がない限り、休暇申請などできません。
本当に年間で一日か二日くらいです。
私にとっては、このF1観戦がその時でした。
毎年5月くらいには数万円するチケットを買って、楽しみに楽しみにしているイベントです。
もしそれが、直前の事件事故などで行けないなんて、絶対あってはならないことでした。
そこで私は毎年休暇申請の理由の欄には
「名古屋で従兄弟の結婚式に出席するため」
と記載してました。
まぁこれでも殺人事件級の事件が発生してしまえばダメかもしれませんが、それでも冠婚葬祭はある程度は強い。
正直に「F1観戦旅行」なんて書いたら、休暇の許可する下りないでしょう。
本当は結婚式よりも葬式の方が強そうだったので、できれば葬式にしたかった。
でも、葬式だと毎年親戚の誰かを死んだことにしなくてはならないので、さすがにちょっと気が引けてしまいました。
鈴鹿サーキットのある三重ではなく名古屋としたのは、私のF1好きは周囲の人には周知されてるので、この時期に三重県と書くとF1に行ってるのが気づかれそうだと思ったから。
だから私は、毎年毎年同じ時期に名古屋に結婚式に行ってることになってました。
でもまったく気が付かれなかったですね。
上司も異動するし、みんなそこまで人の休暇について興味ないですから。
ブラック勤務から少しでも自分の身を守るためにしていたことでした。
でも結婚式もやはり確実ではありません。
それを身をもって知ったのが自分の結婚披露宴でした。
自分の結婚披露宴に招待して出席予定だった刑事課員二人が欠席でした。
理由は数日前に発生した殺人未遂事件でした。
自分がF1観戦の時じゃなくてホントによかったと思いました
今もブラック勤務のストレスで苦しんでいる人は、休暇を取るためには冠婚葬祭で設定しておくことをお勧めします。
ブラック勤務相手にバカ正直に相手しても、自分がストレスで苦しむだけです
もう限界だと思ったら転職の準備を早めに進める
もうどうしても耐えられないと思ったら、まずは在職しながらリクナビNEXTに登録して、エージェントに相談してみるところから始めましょう。
リクナビNEXTのプロのエージェントなら、自分では思いつきもしなかった経歴の活かせる転職を教えてくれますよ
コメント