前回までの「女性警察官の大変さ」を教えてくれた元女性警察官のミサさん。

今回は、ミサさんインタビューの番外編で
ミサさんが警察官を退職した3つの理由です
これまでも警察官を退職した方にインタビューしてブログに載せてきました↓

ミサさんへのインタビューの最後に、退職理由を聞いたところ、
その悩みすごくよくわかる
というものと
私も含めて他の退職者からは聞いたことのない理由
を聞けたので、今回の記事で紹介します
「苦しんでいる人に自分が覚醒剤を打つような真似はできない」
という悩みは衝撃的でした。
では、「ミサさんが警察官を退職した3つの理由」をどうぞ
Contents
その1、この仕事を続けてたら絶対に病気になると思った

では私が警察官を退職した3つの理由についてお話しますね。
ひとつめの理由は、健康を破壊する警察官の労働環境です。
事案が入れば一睡もできない夜勤
徹夜の夜勤の後も、夕方まで延々と続く長時間の残業
警察官の労働環境は本当に過酷です。
当時は、友達に会うたびに「またやつれたね」と言われていました
やがて「この仕事を一生続けていったら自分の健康は保てない。必ず病気で倒れる」と思うようになりました。
これが一つ目の理由です
2、本当の被害者にたどり着けないジレンマ
2つめの理由は、自分の力を本当の被害者のために使えないことでした。
私は110番を受理する通信指令課でも勤務していました
赴任した時には「今すぐ警察官を必要としている被害者に1秒でも早く派遣できるようにがんばろう」
と思っていました。
しかし実際に始まると、
それはもうひどいもので・・幻滅の毎日でした
通報の半分以上は緊急性のないものばかり
「ガスコンロの火を消したか覚えてないから見に行ってもらえませんか」とか、そんなことを私から警察署の警察官に指令なんてしたくありません。
緊急性がない通報には相談窓口を案内するのですが、それに対しては「そこはお金かかるから110番した」とか言われたり…
こういう人たちを相手するのが8割でうんざりしてくる毎日でした
そんな憔悴が続き、ついに本当に辞めたいと思ったのは、上司に愚痴を言っていた時でした
その上司から「本当に困ってる1%の人のために頑張ろう」と言われ、その一言が私には決定的なものになりました。
上司はきっと励ましのつもりで言ったのだと思いますが、
むしろそういう通報に埋もれて、時々本当に緊急を要する被害者からの通報を受けることがある、という感じでした
その時「99%のこういう人たちの相手をするために私は働いてるんじゃない。もう無理だ。」と、仕事中でしたが泣きそうになりましたね。
…仕事中だったので我慢しましたが。
一日の中で限られている私の集中力や精神力が、こういった人たちによって消耗させられる日々
どうでもいい相手の対処に追われ、本当に警察官を必要としている人たちに自分の力を集中投下できない
私はこんな人たちの相手をするために警察官になったんじゃない
これが2つめの理由、「本当の被害者にたどり着けないジレンマ」です
3点目は、自分自身には絶対にしたくないことを、仕事上は正しい処置としてしなくてはいけないことでした
わたしは子どもの頃から健康を大切にする家庭で育ちました。
そのため自然と健康に関する知識が身について、独学で勉強したりもしていました。
また、姉が看護師をしていたのもあり、医療現場の実情も常に教えてもらっていました
そんな中、向精神薬や抗不安薬、睡眠薬が覚醒剤とほぼ同じ作用を身体にもらたす事を知りました。
警察官は精神疾患のある人と接する事が多くあり、やがて精神疾患の方達と覚醒剤中毒者の禁断症状が全く同じだと気付いたのです。
以前の自分は知らなかった事とはいえ、精神疾患の方達に対して
「薬飲んだの?」
「病院行かなかんよ」
「先生に診てもらったの?」
等と言っていました
しかし、それは覚醒剤と同じような作用をもたらす薬を打ってもらうように促していることと同じだったのです
そのことにとても罪悪感が芽生え、自分のしていることは正しいのか、自信を持てなくなっていきました
私は健康が何より大切だと思っています。
そんな私が、精神疾患で苦しんでいる人たちにそんなことを言うのは、自分にウソをついていることであり、そんな事もう言いたくない、これ以上自分にウソをつき続けるのはやめたい
そう思うようになり、退職を決意したのが3つ目の理由です。
警察官を退職した今、本当に人の健康を守れる仕事をしています。

以上が私が警察官を退職する決断をした3つの理由です。
某県警で約11年間警察官として勤務していました!
このアカウントでは、警察というものをもっと身近に感じてもらい
「あっ、警察官も人間なのねww」
と親しみを持ってもらいたいという、わたしの自己満足のアカウントです笑
どうぞ宜しくお願いします(*'ω'*)— ミサ@元女性警察官 (@police_misa) July 15, 2021
ミサさんが警察官を退職した3つの理由についてでした。
本当の被害者のために自分の力を投入できない
くだらない連中の相手で消耗していく
これは私も、いや私だけじゃなくすべての警察官が思うことだと思います
これは本当に耐えられないもので、「自分は一体何のために警察官をやっているのか」疑問に思うようになってきます
それを理由に、スキルのある人が警察から去っていってしまうのは社会にとって本当に大きな損失です
「110番なら無料だから」とか、「コンロを消し忘れたから見に行ってくれ」とか、こういう連中のために警察官が消耗しないためにはどうしたらいいのか
本当に解決が必要なことだと思います
結果的に困るのは、本当に警察官の助けを必要としている被害者です
その人たちへの指令が遅れ、警察官の到着が遅れ、証拠や目撃者は失われ、・・犯人検挙は難しくなり・・・。
これが警察官の仕事の現場で起きている紛れもない現実です
くだらない連中のために、本当に苦しんでいる人たちを助けられなくなっているのです。
こうしてる今も、そういった連中の相手に警察官たちは奔走していることでしょう
どうか省エネで処理して、ご自身の身を守り、本当の被害者のためにエネルギーを使ってほしいと思います。
3回に渡った元女性警察官のミサさんへのインタビューはこれで終わりです
記事を書いている途中で、ミサさんには何度も追加の質問を送ったりしましたが、毎回丁寧に教えてくれました
ミサさん本当にありがとうございました
ミサさんと同じように警察官を退職しようか迷っている人に向けてのブログも書いてるので、ぜひこちらもご一読下さい↓

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